今日、なに食べよう?〜有機野菜の畑から~

旬の野菜と珍しい野菜の簡単レシピ

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「秋茄子は嫁に食わすな!」の説をブッた切ってみる~ナスの煮びたしタップリの冷やしうどん

ナスの煮びたしタップリの冷やしうどん

ナスの煮びたしタップリの冷やしうどん

 今どきは一年中スーパーに並んでいる感のある茄子ですが、地域によって多少の差はあるものの、露地栽培のナスが出回る最盛期は7〜9月頃になります。

姉さんの農園でも、だいたい6月末か7月初旬に収穫し始め、9月の中旬頃で打ち切るのが例年のパターンです。

ところで、皆さんがナスと聞いて真っ先に頭に浮かぶのは「秋茄子は嫁に食わすな」の諺ではないでしょうか?

この諺の解釈はいろいろと分かれるところなのですが、大きく分ければ二つで、一つ目は嫁いびりの説。二つ目は子宝に恵まれなくなるからと言う説です。

今回は、毎年ナスを作って20年の農家であるホマレ姉さんがこの二つの説を大胆にもブッた切ってみたいと思います。

一つ目の説では、秋ナスは美味しいので嫁に食べさせるのがもったいないと言うのが一般的に考えられている理由です。

だけど、ハッキリ言わせてもらいます。秋ナスはさほど美味しくはない!…と思うんですよ…姉さんはね。

まぁ地域にもよるんでしょうが、9月の声を聞くと気温が下がってきて、日も短くなってくるので、ナスの生育がかなり遅くなり、収量は落ちてきます。

そうするとナスはズッシリとした固めの実になってしまい、夏の柔らかいナスに比べてお世辞にも美味しいとは思えないんです。

もし、この一つ目の嫁いびりの説が正しいとするならば、秋ナスが美味しいからではなく、秋になると収量が落ち、ナスが貴重となるからなのではないでしょうか?

つまり、秋になってナスがあまり採れなくなってきて、もうナスを楽しむのも終わりか…もったいないなぁ…なら嫁に食わすな!…ってことだと思うんです。

まだまだ美味しい畑のナス

二つ目の説は、概ね二つの理由に分かれていて、①ナスが身体を冷やす野菜なので、涼しくなってきた秋に嫁が食べたら身体を冷やしてしまうから。

もう一つは、②秋ナスは種ができにくいことから、子宝に恵まれなくなるので避けた方がよい、と言った験担ぎだとする説があります。

①も②もどちらも子孫繫栄を願う理由からですが、夏野菜の多くは身体を冷やす効果があると考えられているので、①はすんなりと受け入れることができます。

しかし②の理由は、種ができにくいからと言うよりは、秋のナスからは種を採ることが難しいからではないかと、姉さんは考えます。

昔は今と違って種苗会社も無い時代ですから、翌年の種を確保するためには自分で種を採る(自家採種)必要があります。

ナスに限ったことではありませんが、果菜類の種を採ろうと思ったら、かなり長い時間をかけて着果させておかなくてはなりません。

秋に着果したナスではその時間を十分に取れず、まともに種を採種できないんです。このことは昔の農家にとっては相当シビアな問題だったと思います。

そして、翌年の実りを約束してくれる良い種の確保と子孫の繫栄を願う気持ち、これらをリンクさせて考えるようになるのは、ごく自然なことだったに違いありません。

だけど、真相はもっと単純だとも思うんですよね。一つ目の理由にも書きましたが、秋はナスの収量が落ちてくるんです。

つまりは、ナスの実が着きにくくなる → 妊娠しにくくなる → 嫁に食べさせてはいけない!…ってことではないかと思いもするんですけどね。

まぁ、一つ目の説は嫁いびりの説で、二つ目は嫁の身体を心配している説だから、二つ目の方がまだ良いのかもしれません。

でも二つ目の説も、結局は子孫を残すための嫁ってことですから、どちらもひどい諺であるには違いありませんよね。

と、長ったらしい文章を書きましたが、詰まる所は、美味しいナスを食べるには、早いうちがいいよ!…ってことです。

そこで今日のレシピは、この夏、姉さん家で一番よく食べた、ナスをタップリ使った「冷やしうどん」のレシピと参りましょうか。

このレシピ、いつも夏になると作るナスの煮びたしを食べているときに、「コレ、うどんにかけて食ったら旨いんじゃない?」って会話がキッカケで生まれたんです。

少量の油でナスを炒めた後、煮浸しすることで醸し出されるコクとトローんとしたナスが冷たいうどんと相性バツグンなんです。

天かすを加えるのも忘れてはいけませんね。さらに大葉のせん切りをのせることで一層箸が進みます。おろし生姜はお好みで構いませんよ。

 
 
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材料(2人分)

  • ナス      2本
  • 大葉(せん切り)      2枚
  • 冷凍讃岐うどん      2玉
  • 天かす      お好みの量(約大さじ4)
  • 麺つゆ(3倍濃縮・市販品)      1/3カップ
  • みりん       小さじ2
  • サラダ油      大さじ5

 

作り方

  • ①   ナスはヘタを落として縦半分に切り、皮の方に2〜3㎜幅で斜めに切り込みを入れ、縦にもう一度って1/4にしてから乱切りにする。

ナスに切り込みを入れ、乱切りにする

 

  • ②   市販品の麺つゆを出来上がりで1カップ用意する。みりんをやや大きめの器に入れ電子レンジで500〜600wで50〜60秒加熱し、煮切っておく。麺つゆとみりんを合わせる。

つゆを作っておく

 

  • ③   フライパンにサラダ油を引き中火で温めたら、①のナスを皮目の方を下にして入れ、炒め揚げにする。皮が綺麗な紫に変わったらナスをひっくり返して、残りの皮以外の面も炒める。

ナスを炒め揚げにする

 

  • ④   ナスを炒め終えたら③に②を加えて約3分間ナスに火が通るまで煮る。

②を加えて約3分間ナスを煮る

 

  • ⑤   ④を器に移し、粗熱を取ったら冷蔵庫で冷やしておく。

器に移し、粗熱を取って冷蔵庫で冷やす

 

  • ⑥   冷凍讃岐うどんをレンジで解凍(1玉につき3分30秒加熱)するか、沸騰した湯で茹でる(1分〜1分30秒) かして、両方ともザルに上げて冷水に取る。

冷凍うどんを温め、ザルに上げて冷水に取る

 

  • ⑦   ⑥の水気を切ったら、器にうどん、ナスの順に盛り、天かす、大葉をのせ、残ったつゆをかける。

水気を切ったうどん、ナス、天かす、大葉をのせ、残りのつゆをかける

 

ポイント

  •  最近の野菜はアクが少ないです。切ったナスを直ぐに使う場合は、アク抜きは必要ありません。
  •  あらかじめせん切りにした大葉は、ヘナヘナにならないように必ずラップをかけておいてください。